FF TOPICS

『FFTCG』描き下ろしイラスト紹介
イラストレーターインタビュー
第11回:小林元

世界中で遊ばれているアナログTCG、『ファイナルファンタジートレーディングカードゲーム(FFTCG)』には、ファイナルファンタジーシリーズからたくさんのキャラクターやモンスターが登場しています。懐かしいイラストがカードになって登場している一方で、実は、『FFTCG』のために描き下ろされたオリジナルのイラストが多数収録されています!

本特集では、収録されているイラストをイラストレーターへのインタビューを織り交ぜながらご紹介します。さらに、イラストの一部を壁紙としてFFポータルアプリにて配信いたします!


描き下ろしイラスト紹介&インタビュー

『FFTCG』向けに『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』の描き下ろしを担当されている小林元さんに、今回の描き下ろしについてお話を伺いました。

小林元プロフィール:
グラフィッカー、デザイナー。『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ』デザイン監修、召喚獣イラストのほか『ファイナルファンタジーI・IIアドバンス』のパッケージイラストや『すばらしきこの世界』のキャラクターデザインなどに携わる。

―まず、小林さんのこれまでのお仕事について教えていただけますでしょうか。

小林:以前は大阪支社に勤務していて、そこで『武蔵伝II ブレイドマスター』や『マリオバスケ 3on3』といったタイトルでキャラクターデザインや宣伝用のイラストなどを担当していました。『マリオバスケ 3on3』は当時他と比べると少数精鋭で開発をしていたので、UI周りのデザインや企画のお手伝いなんかもしていましたね。その後は『武蔵伝II ブレイドマスター』でご一緒した野村さんとのつながりからお声がけいただけたのか、『すばらしきこのせかい』のチームに合流してサブキャラクターデザインと宣伝用のイラスト、ゲーム中のアニメシーンやイベントの一枚絵などを描いていました。この時は他の社内スタッフはみんな東京だったので、ひとり大阪で絵を描いていました。そして『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』と続けてサガシリーズにもキャラクターデザイン等で参加させていただきました。その後は『MARIO SPORTS MIX』で初めてアートディレクションをやらせていただき、「キングダム ハーツ」系のタイトルでも敵キャラのデザインやUI周りをやったり、『スクールガールストライカーズ(以下、スクスト)』のキャラクターデザインを担当したりもしましたね。

―『スクスト』はそれまで小林さんが担当された作品とはだいぶ毛色が違いましたよね。どういった経緯でキャラクターデザインの依頼が来たのでしょうか?

小林:実はこれは依頼が来たのではないんですよね。始まりは、ちょうど別件で東京からプロデューサーやディレクターが大阪に来ていた時に、おまけの話で「そういえばこんなタイトルも作ってるんだよね」と情報共有してもらいまして。自分の中でスクエニっぽくないゲームをやってみたいという想いもあり、後日やらせてください、と自分から志願したんです。

―なんと!ご自分から志願されていたんですね。『スクスト』の影響で小林さんといえば可愛い女の子のイラストを思い浮かべる方も多いのではないかと思います。

今回描き下ろしを担当された『ファイナルファンタジー エクスプローラーズ(以下、FFエクスプローラーズ)』については、制作当時はどのように関わっておられたのでしょうか?

小林:これも結構特殊な関わり方だと思うのですが、当時のメインの仕事としては「キングダム ハーツ」系のチームに所属していました。それで当時『FFエクスプローラーズ』のチームが社内は少数精鋭のチームで、メイン開発は外の開発会社さんにお願いしていたのですが、監修依頼みたいなものが自分の方に来て、アドバイスをしたりとか、デザイン案に赤を入れたりしていました。ゲームの特徴もふまえて見てわかりやすいデザインになっているかどうか、などを確認していました。特に一から自分の方でデザインしたみたいなものは、おそらくなかったと思います。ただその流れで宣伝用のイラストはがっつり描くことになりましたね。

   

―今回の『FFTCG』向けの『FFエクスプローラーズ』の召喚獣たちの描き下ろしについてお伺いします。小林さんといえば人物のデザインやイラストのイメージがありますが、この召喚獣のようなモンスターっぽいものは慣れなかったりしたのでしょうか?

小林:仕事としてはモンスターのデザインもやっているので、特に慣れていないということはないですね。モンスターはデザインするのもイラストを描くのも好きです。イラスト自体も描く機会も多いのですが、このように背景込みで描くというのはあまりないかもしれません。

―召喚獣といえば通常プレイヤーの味方ですが、『FFエクスプローラーズ』の召喚獣は敵として対峙しますよね。今回のイラストからもそれが感じられますが、やはり意識されていたのでしょうか?

小林:そうですね、今回の描き下ろしは全部敵キャラの姿をイメージして描いているので、目線もプレイヤーが受ける印象に近くなるようにしています。せっかく『FFTCG』担当の松山さんからも好き放題描いてOKという風に伺っていたので、普段ゲームの紹介イラストとかでは使いにくいけど、カードゲームのイラストならありだよねってことでこのようにしてみました。

―アマテラスやドリュアスは『FFエクスプローラーズ』で初登場した召喚獣でしたよね。当時デザインの監修などはされたのでしょうか?また今回の描き下ろしはどんなイメージで描かれているのでしょうか?

小林:『FFエクスプローラーズ』制作当時は変わった召喚獣を作るんだなーという印象で、ドリュアスなんかは最初の方はデザイン案も色々あって決める方も試行錯誤していたようでしたが、結果的に特徴的な召喚獣が出来上がったなというのは横で見ていましたね。今回のドリュアスの描き下ろしについては、ゲーム中だと引きでみる感じだったんですが、実際はボリューミーなキャラクターで触手を操って攻撃してきます。それで実際対峙したらどんな風だろうか、というのをイメージしています。キャラクター性を出せるように、不気味な表情にフォーカスしています。プレイヤーに対していたぶってやるぞ、という感じでまだ余裕のある顔ですね(笑)。

―『FFTCG』のアートブック内のインタビューで、イラストに使われている“効果”に注目して欲しいと仰っていましたが、具体的にはどのような効果が仕掛けられているのでしょうか?

小林:いわゆる“被写界深度”を使って、距離や奥行きを感じられるような絵作りをしています。ドリュアスでいうと触手が手前に伸びてきているところや体の部分をぼやけさせていて、全体的に今回の描き下ろしで使っている手法です。

フェンリルなどはモーションブラーをかけることで動きを出しています。あとは全般的にですが、光の表現を工夫して絵にメリハリをつけています。

リヴァイアサンも、体が何重にもなっている感じを奥行きを使って表現しています。またエフェクトなども使って動きを出せるようにしていて、全体的に一枚のイラストというよりは、動きのあるシーンを切り取ったみたいな、前後の動きを想像させられるというのを意識しています。

―なるほど!そんなに色々な効果が使われているのですね。『FFTCG』の担当からも、今までの描き下ろしには被写界深度を使ったものはなかったそうで、かなり新鮮だったと聞いています。

小林:そうですね、ラフをお見せした段階で被写界深度を使ったこの、“止め画”のような感じを活かしましょうというお話はいただきました。このような効果を使った理由といいますか、差別化という点は結構意識していました。『FFTCG』にはすでにたくさんの描き下ろしがあったので、先人たちのイラストとは差別化はしようと思って描いたんです。自分の色が出るアニメスタイルでいきつつ、その他の要素もあまり見られないパターンでいきたいなと。

―初めて小林さんのアマテラスを見たときに、今までの描き下ろしと方向性が違う!と感じました。意識して差別化をされていたのですね。今回、『FFTCG』のお仕事ならではだったことは何かありますでしょうか?

小林:完成した後に他の方のイラストと並んで使われるという経験がなかったので、そこが今までと違ったところですね。緊張感というかプレッシャーがありました。同列で扱われるので下手なものは出せないな、と。差別化の件も、イラストが並んで使われるゲームだからこそ意識していた部分です。プレイヤーの皆さんにはゲームを楽しんでもらいつつ、自分の特徴も入れこみたかったんです。 あとは実際のカードには枠が乗るため、カードの種類によってはイラストの一部が見えたり見えなかったりしますよね。なのでその枠の部分は見えなくても成立はしつつ、露出したら何かの要素が見えるように意識はして描きました。

―確かにフルアートカードで枠が取れるとかなり印象が変わりますね!ちなみに、今回の6枚の描き下ろしは順番に描かれているのでしょうか?また1枚あたりどのくらい時間がかかっているのでしょうか?

小林:1枚あたり、ラフからだいたい3~4日くらいですね。今回は6枚が全部同時に依頼が来たわけではないのですが、何枚か同時にオーダーが来た時には並行して描いています。その中でも差別化したいですし、バランスを見たいので。ラフに色も付けて完成のイメージを作って、色味も同じような印象にならないようにしています。テイストという意味では、最初のタッチでこうしようと決めていたけどやっぱりこうしてみたい、という欲が出てきたりする部分をやっちゃおうか我慢しようかという別の悩みはあったりします(笑)。今回については押さえて、同じテイストでまとめています。

―今回の描き下ろしで楽しかった点や、苦労した点があれば教えてください。

小林:まず楽しかった点ですが、アングルやポーズを自由に考えて描けるのは楽しかったですね。デジタルゲーム向けの素材ではなかなかできないことをやらせてもらったのが良かったです。キャラクター自体も、普段あまり描かないようなものを描けるのが楽しかったです。
苦労した点は、『FFエクスプローラーズ』制作当時から時間が経っているのでデザインの細部を再確認したり、カードの見映えにあわせてアレンジを加える匙加減は少し考えたりはしました。でも、正直そこまで苦労ということではなかったので、その辺も含めて楽しかったですね。

―今回の6枚の描き下ろしで気に入っている1枚はありますか?

小林:確かそうだったと思いますが、最初に描いたフェンリルですかね。動きとかどれくらいやっていいかなーと模索しながらやったりしたので印象に残っています。出来上がりも気に入っています。

―これは今回の『FFTCG』の描き下ろしに限らずなのですが、小林さんがイラストを描く際、どこにポイントを置いて描かれているのでしょうか?

小林:表情・感情を感じやすい、前後のストーリーを想像しやすいといったような、動きがあったり時間の流れがあったりというのはイラストを描くときに全体的に意識しています。あとは“見せ場”となる部分は絵を描くうえでここ、と決めて描きますね。その点は、今回の描き下ろしは今まで以上にはっきりしているかもしれないです。

―そういったところが理由なのかはわからないですが、小林さんのイラストはスクエニ感がありつつも、独自の世界があるように感じます。

小林:元々大阪にいた頃はスピード重視といいますか、東京の特にFFのチームははがっつり時間をかけてクオリティの高いものをというスタイルなのに対し、大阪ではスピード&バラエティでいろんなものを楽しくバババッと作るみたいな、自分の中ではそういうコンセプトでやっていたので、そこの違いは感じますね。動きを感じるイラストというところに関連して、アニメーションにも興味があります。4月から放送開始予定のアニメ『すばらしきこのせかいThe Animation』も監修もしているので楽しみです。

―今後『FFTCG』向けに描き下ろしてみたいタイトルやキャラがいたら教えてください。

小林:冒頭の職歴のところでは言及していなかったんですが、実は大阪時代に『ファイナルファンタジーI・IIアドバンス』のパッケージイラストを描いていたので、『ファイナルファンタジーII』は描いてみたいですね。あとは個人的に『ファイナルファンタジーIV』が好きなのでメインのキャラ達とか、四天王をかっこよく描きたいですね!『ファイナルファンタジーIV』はストーリーもキャラも立っていて思い入れがあります。リディアとエッジとかいいですよね。ちなみに『ファイナルファンタジーIV アドバンス』と『ファイナルファンタジーV アドバンス』(の一部ジョブ)宣伝用には、当時のエアブラシ風のイラストを描いていました。


▲『ファイナルファンタジーI・IIアドバンス』パッケージイラスト


▲『ファイナルファンタジーIV アドバンス』宣伝用イラスト

そして実は、今回紹介していただいた6枚の描き下ろしの他にも進行中の描き下ろしがあります。まだ詳細は言えませんがどうぞお楽しみに!

―最後にとても気になる情報を聞いてしまいました……。本日はありがとうございました!

▼バックナンバー
第1回:松田俊孝
第2回:伊藤龍馬
第3回:板鼻利幸
第4回:ロベルト・フェラーリ
第5回:小池紅美子
第6回:オグロアキラ
第7回:泉沢康久
第8回:齋藤茜
第9回:上国料勇
第10回:浅見瑠比

「オーディン」壁紙追加!

小林元さん描き下ろしの「オーディン」が壁紙になりました!

■デジタルコンテンツ(壁紙)
- アイテム名 : 描き下ろしイラスト『オーディン』壁紙
- 交換条件 : (有効期限内)何度でも

FFTCGとは?

ファイナルファンタジーシリーズに登場するキャラクターや召喚獣を駆使して、1対1で対戦するカードゲーム。お馴染みのキャラクターのカードを集めるコレクションとしての要素だけでなく、ルールはシンプルながら奥の深いゲーム性による、カードゲームとしての面白さが最大の魅力。
公式イラストレーターによる描き下ろしイラストも大好評!

『FFTCG』ご購入はこちらから!

e-STOREへ

© 2014-2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

HOME PAGE TOP
© 2015 - 2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.